実例から学ぶ税務の核心〈第7回〉最近の事業承継スキーム報道を読み解く①

週刊税務通信 №3451 平成29年3月27日号に、熊本本部所長・岡野の記事が掲載されました。

実例 から学ぶ 税務 の核心

~ひたむきな税理士たちの研鑽会~

<第7回>

最近の事業承継スキーム報道を読み解く①

解説

大阪勉強会グループ
  濱田康宏
  岡野訓
  内藤忠大
  白井一馬
  村木慎吾

昨年8月末の産経新聞報道は,税理士業界と金融機関に衝撃を与えた。一見問題がないかに見えるスキームのどこに課税庁の問題意識があるのかを探る。また,第8回ではトステム事案,第9回ではキーエンス事案についても内容を確認していく。

1 産経新聞平成28年8月29日報道記事の衝撃

白井)  近年,メガバンクなどの金融機関主導での,中小企業の事業承継スキーム実行が非常に盛んです。しかし,このブームに冷や水を浴びせるような報道が,昨年ありました。

岡野)  産経新聞の報道記事ですね。我々税理士業界と金融機関には,衝撃が走りました。

自社株の相続めぐり銀行が中小企業経営者へ提案の節税策,国税がNO! 追徴課税などを受け国提訴が相次ぐ…

2016年8月29日6時0分 産経新聞

自社株の相続対策に悩む中小企業の経営者が,取引銀行から提案された別会社へ株を売却するなどの「節税策」を実行したところ,税務署に認められずに課税され,国を相手取った訴訟に発展するケースが増えている。国税当局が租税回避行為とみなして厳格に臨んでいるためだ。専門家は,こうした国の判断を認める判例が出てくれば,節税策を提案する銀行や税理士の責任も問われると指摘する。

濱田)  これを読んだら,実行した税理士や金融機関は気もそぞろになるのでしょうね。

村木)  実際,私も,問い合わせを多数受けました。この記事を読んでも,よくわからない点が多いので,なおさら,不安感をあおられた読者が多かったのではないでしょうか。

岡野)  では,この記事について,現時点でわかる範囲で,内容を分析してみたいと思います。

(以下略)