実例から学ぶ税務の核心〈第5回〉役員退職金の最近の裁判例をどう位置づけるか③

週刊税務通信 №3445 平成29年2月13日号に、熊本本部所長・岡野の記事が掲載されました。

実例 から学ぶ 税務 の核心

~ひたむきな税理士たちの研鑽会~

<第5回>

役員退職金の最近の裁判例をどう位置づけるか③
3445号  2017年02月13日

解説

大阪勉強会グループ
  濱田康宏
  岡野訓
  内藤忠大
  白井一馬
  村木慎吾

4 飯田精密事件 東京地裁平成25年3月22日ほか

1)事件の概要

濱田)  では,役員退職金に係る最近の裁判例の最後で,飯田精密事件を扱いましょう。この事件は,どのようなものだったのでしょうか。

白井)  一般には,功績倍率3倍が否定された事件と,役員報酬・役員退職給与の民間データベースの妥当性について疑問を呈された事例だと理解されているようです。

内藤)  ただ,功績倍率3倍が否定された事件との位置付けには,問題があるように思います。この点は,この事案を少し丁寧に追いかけてみる必要があります。

岡野)  5社のグループ法人の代表者が死亡退職し,これに対して弔慰金と役員退職金をそれぞれの法人から支給したところ,これが高額否認されたことから,異議申立てを経て,国税不服審判所,地裁,高裁,最高裁への上告を行い,最終的には,納税者が完全に敗訴した事件です。

村木)  当初の税務調査では,感情的ないざこざがあったようで,訴訟ではこの点も出てきますが,今回は,役員退職給与の高額否認の問題に絞って検討していきます。

(以下、「略」)