実例から学ぶ税務の核心〈第6回〉役員退職金の最近の裁判例をどう位置づけるか④

週刊税務通信 №3445 平成29年3月13日号に、熊本本部所長・岡野の記事が掲載されました。

実例 から学ぶ 税務 の核心

~ひたむきな税理士たちの研鑽会~

<第6回>

役員退職金の最近の裁判例をどう位置づけるか④
3449号  2017年03月13日

解説

大阪勉強会グループ
  濱田康宏
  岡野訓
  内藤忠大
  白井一馬
  村木慎吾

1 残波事件の残された謎~裁決例の否認理由が地裁裁判では消滅~

岡野)  第2回で残波事件を扱ったのですが,私には不思議な点があります。それは,裁決(平成24年12月18日裁決)の段階では,分掌変更退職給与の否認という論点があり,それを理由として,納税者が負けていたのですが,地裁の判決文には,この点が一切出てこないのです。

濱田)  不服審判所の段階では,不相当高額の手前で撥ねられていたということですか。

白井)  審判所の判断では,次のように言っています。

「(ロ) 上記のとおり, 本件金員は,役員退職給与に該当しない ところ, 法人税法第34条 第1項第1号から第3号までに規定するいずれの給与にも該当しない役員給与であるから,平成22年2月期の損金の額に算入されない。したがって, 本件金員に不相当に高額な部分の金額があるか否かについては判断をするまでもない。 」 。

(以下、「略」)