さくら経革通信 「経営理念・戦略計画の重要性-利益・節税・補助金の側面から」

経営理念・戦略計画の重要性

今回は、経営理念や戦略計画の重要性を「利益」と「節税・補助金」の側面から考えていきたいと思います。

  • 「利益」とは

    利益が大きい会社ほど永続性が高い、ということは、どなたも理解に難くないことでしょう。

    「利益とは、未来の費用、事業を続けるための費用である」とはP.ドラッカーの言葉です。

    この言葉は逆算で考えられています。つまり、「事業を続けるためには社会に貢献していなければならない。社会への貢献という企業の普遍的目的を達成するためには、この程度の目標を置かなければならず、その目標を達成するためには、これだけの費用が必要である。」その費用が必要な利益の額を教えてくれる、というわけです。

  • あるべき「節税」

    さて、利益が出れば当然ながら税金を納める必要があります。しかし「税金は見返りもないし、なるべく払いたくない…」と考える方は多いのではないでしょうか。まず考えたいのは、税金を払う場合と税金を抑えた場合のどちらが得か、ということです。事例で考えてみましょう。

    全く同じ利益を上げたA社とB社があります。A社は積極的に税金を納めたいと思っています。もう一方のB社はできるだけ税金を納めたくないため、何らかの経費を作って税金を抑えようと思っています。どちらの方が得をするでしょうか(簡便的に、「利益=キャッシュ」と考えます)

    A社 B社
    税引前利益(調整前) 2,000,000 2,000,000
    利益調整 0 ▲1,000,000
    税引前利益(調整後) 2,000,000 1,000,000
    税金(30%) ▲600,000 ▲300,000
    税引後利益(手残り) 1,400,000 700,000

    当然ながら、税金を多く納めたA社の方が手残りは
    多く、節税したB社の方が手残りは少なくなります。

    誰もが理解していることなのですが、決算を迎える度にB社のような行動をとればどうなるか・・・

    ただし、全ての節税を否定するわけではありません。どのような経費を使うことで調整するのか、その調整の内容が重要です。

    その調整が、全体利益(その企業の今後の期間利益の総和)を押し上げる調整、つまり投資であれば問題ありません。しかし納税額だけを見た近視眼的な「節税」であれば、先の例の通り部分最適にすらなりません。節税の名を借りた自傷行為です。

    全体利益を押し上げるためには、長期的な構想、言い換えれば目的思考が必要になります。目的思考に基づいた計画的な節税、本来やるべきことを曲げない節税だけが、真に節税と言えるのです。

  • 「補助金」

    補助金も同様です。補助金がもらえればうれしいですし、なんとなく得をするような感覚がありますが、その事業が赤字であればキャッシュフローは悪化します。

    あくまで「企業の目的や目標を達成する事業であるかどうか」をベースに、しっかりと事業計画を立てて事業が成功する方法を考え、その事業を行うべきかどうかを判断する必要があります。

  • 経営理念と戦略計画

    「事業の定義があって初めて、目標を設定し、戦略を発展させ、資源を集中し、活動を開始することができる。業績をあげるべくマネジメントできるようになる。」「戦略計画が必要となるのは、まさにわれわれが未来を予測できないからである。」(P.ドラッカー)

    これまで述べた通り、自社の目的や事業の定義を考えること、そして目標や単なる予測ではない計画を立てることは極めて重要なことです。是非一度、事業の再定義を行い、しっかりとした戦略計画を考えることをおすすめします。詳しくは経営支援課までご相談ください。

  • 【熊本本部 吉本 千剛】

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