実例から学ぶ税務の核心〈第9回〉最近の事業承継スキーム報道を読み解く③

週刊税務通信 №3456 平成29年5月8日号に、熊本本部所長・岡野の記事が掲載されました。

実例 から学ぶ 税務 の核心

~ひたむきな税理士たちの研鑽会~

<第9回>

最近の事業承継スキーム報道を読み解く③

解説

大阪勉強会グループ
濱田康宏
岡野訓
内藤忠大
白井一馬
村木慎吾

1  キーエンス事案の概要

白井)  総則6項による否認事案の第2弾として,キーエンス事案を扱いましょう。我々の業界では,キーエンスと言えば,真っ先に,事業年度変更を繰り返すことで法人税法における税制上のメリットを積極的に享受しようとする,アグレッシブな会社のイメージがあります。報道によれば,今回は,贈与税における否認事案なのですね。

内藤)  以下,全て各社報道記事からの推察ですが,相続時精算課税制度を利用して贈与した資産管理会社株式の評価額について,財産評価基本通達に従って評価したにもかかわらず,総則6項による否認が行われたことで,1,500億円の評価額の計上漏れと,それに伴う300億円の追加納税が生じた事案と読み取れます。

濱田)  贈与により移転したのは,メイン企業であるキーエンス株式そのものではなく,資産管理会社株式であり,この点はトステム事案と共通だったのですね。

村木)  ただし,資産管理会社とはいっても,対象となっている資産管理会社はキーエンス株式を保有しているわけではなかったというのが,この事案の特徴です。

(以下略)

(熊本本部スタッフ)