実例から学ぶ税務の核心〈第14回〉自社株納税猶予制度の再整理

週刊税務通信 №3482 平成29年11月13日号に、熊本本部所長・岡野の記事が掲載されました。

実例から学ぶ税務の核心

~ひたむきな税理士たちの研鑽会~

<第14回>

自社株納税猶予制度の再整理

解説

大阪勉強会グループ
濱田康宏
岡野訓
内藤忠大
白井一馬
村木慎吾

平成29年度税制改正で事業承継税制の抜本的な見直しがされたとの触れ込みだが,現場の税理士が実際にどのよ
うに対応すべきかについてはまだ不透明な部分が多い。実務でどのような対応をすべきかについて検討してみた
い。
1 自社株納税猶予制度を理解する必要性
濱田)  平成21年度税制改正で登場した自社株納税猶予制度ですが,余り使われていないのがこれまででし
た。その後の改正でいろいろ手直しはあったものの,雇用維持要件が厳しい上に,落とし穴が多いのと,長期間
のモニタリングが組み込まれた制度だけに,現場の税理士には使いにくい印象でした。

【今まで自社株納税猶予制度が利用されなかった理由】
・雇用維持要件が厳しい
・落とし穴が多い(例:減資や組織再編成が猶予打ち切り事由になる)
・制度に,長期間のモニタリングが組み込まれている(例:5年間の定期報告,その後も打ち切り事由に該当し
ないか)

内藤)  確かにそうなのですが,平成29年度税制改正により,納税猶予取消時のペナルティが大幅に軽減され
ました。濱田さんの言う問題は残されていますが,多くは税理士サイドの問題であり,納税者側としては,説明
を受けた結果,使いたいと考えても,全くおかしくない状況です。

村木)  相続税申告が終わっても,税理士が,その後継続して気をつけるべき事項が生じてしまいますので,
別途報酬を貰うなど,個別の対応は要るのかもしれません。また,税理士側の年齢によっては,継続管理は無理
だよという場合もあり得ますね。

岡野)  そういう意味では,税理士法人化の促進材料になる部分があるのかもしれません。ただ,何にせよ,
制度の説明をせずに済む時代ではなくなった,そう思います。

(以下略)

(熊本本部スタッフ)