実例から学ぶ税務の核心〈第21回〉新設された事業承継税制の特例

週刊税務通信 №3510 平成30年6月11日号に、熊本本部所長・岡野の記事が掲載されました。

実例から学ぶ税務の核心

~ひたむきな税理士たちの研鑽会~

<第20回>

法⼈税法22条4項と22条の2

解説

大阪勉強会グループ
濱田康宏
岡野訓
内藤忠大
白井一馬
村木慎吾

1 法⼈税法22条 4項の改正の位置づけ

村⽊) 平成30年度税制改正における法⼈税法の改正で,最も⼤きな事項が,収益認識会計基準への抜本的対
応ではないでしょうか。ここでは,従来の法⼈税法の考え⽅が変わった部分と,変わっていない部分があるとの
認識で,以下内容を確認していきたいと思います。なお,先般公表された通達の内容は次回で議論するとして,
今回は法律を中⼼に考え⽅を確認していきましょう。

岡野) 今回の改正では,派⼿な 法⼈税法22条の2 の新設が⽬⽴ちますが,実は,最も⼤事な改正は,22条
4項の「別段の定めがあるものを除き」が追加された部分だと思うのです。
内藤) ここで,「第2款 各事業年度の所得の⾦額の計算の通則」である 法⼈税法22条 そのものは,この4
項の改正以外は不変です。

濱⽥) その上で,今度は,「第3款 益⾦の額の計算」に「第1⽬ 収益の額」として,22条の2を新設する
という構造になっているのですね。

⽩井) 想像ではありますが,この22条4項の改正の意味は,「法⼈税法ファースト」を強調したということ
ではないかと思います。

村⽊) なるほど。つまり,企業会計原則よりも,法⼈税法の別段の定めが優先だ。それがない領域のみ,企
業会計の基準に従って計算せよと。

内藤) そうですね。従来から議論があった部分について,ここで議論を終結させた。そのような位置づけ
が,この部分の改正ではないかと思います。

岡野) 先に所得計算全体に⼿を付けた上で,収益⾯の規定を置いた。だから,22条の2を読む前に,22条4
項を確認すべきですよね。

(以下略)

(熊本本部スタッフ)