さくら経革通信 「『事業承継塾』をスタートします!」
「事業承継塾」をスタートします!
平成30年4月1日に事業承継税制が大きく変わり、メディアなどでも大きく取り上げられています。弊社でも「速報!さくらユウワ通信375号」をはじめ複数回の同通信やセミナーでご案内して来ました。
これまで使い勝手が良くなかった納税猶予等の制度が相当緩和され、一気に使いやすくなったのですが、これはあくまで事業承継における「資産の承継」の部分を解決するもので、他方「経営の承継」については同制度がきっかけになることはあっても抜本的な解決策にはなりません。
そこで弊社では6月26日(火)より5回シリーズで「経営の承継」も学べる「事業承継塾」の開催を決定いたしました。
今回はその内容を一部ご紹介いたします。
一般的な事業承継の目線だけでは…
一般的に「事業承継」と言うと財産や相続といった事項が主題になりやすく、事業の本質的な話に触れないままに、目に見える財産(や株式)を中心に物事を進めてしまいがちです。
会社の承継は、現在の企業価値をきちんと評価することから始まります。そして財産(や株式)の承継は企業の承継に連動したものでなければ混乱を招くことになります。例えば財務面から分析したときに貸借対照表がプラス(資産超過)なのかマイナス(債務超過)なのか、損益計算書がプラス(黒字)なのかマイナス(赤字)なのか、以下のマトリクス表の①~④のフェーズで会社が実行すべきことは変わってきます。
事業承継・出口戦略のマトリクス
実態P/L | |||
+ | – | ||
時価B/S | + | ① 事業継続・発展 ハッピーリタイヤ |
③ 経営改善 資産承継 |
– | ② 企業再建 |
④ 再編・廃業 |
具体的には、各フェーズで検討すべき事項は以下のとおりです。
- 事業継続・発展の対応策
- 承継手法の選択(親族内、従業員、第三者等)
- 資産承継手法の選択(相続対策など)
- 後継者承継の円滑化
- 企業再建の対応策
- 企業再建手法の選択と実行(自主再建、M&A)
- 資金繰り改善や資金調達、債権者交渉
- 取引先、従業員引き継ぎの有無、円滑化
- 経営改善・資産承継の対応策
- 経営改善、各種リストラ、廃業の見極め
- 所有と経営の分離
- 資産承継手法の選択(相続対策)
- 再編・廃業の対応策
- 事業再編、廃業、撤退の手法検討
- 資産の流動化(在庫整理、取引先承継など)
- 人事及び債務の整理
事業承継では税金だけでなく、様々な目線でのアプローチが必要です。例えば法律面では弁護士、人事面では社会保険労務士、不動産を所有していれば不動産鑑定士など。また、事業面に関してはその分野の経営コンサルを利用することもあるかもしれません。
事業承継=3つのチャンス
事業承継は重い課題ですが、同時に大きなチャンスでもあります。
経営意識変革のチャンス
中小企業に多いオーナー経営は、オーナー独自のやり方、つまり「属人的な経営」と言えます。それを「組織的・総合力経営」へ移行するチャンスです。後継者が現経営者を超えることは、現在の厳しい経営環境では難しい場合が多いです。ゆえに総合力経営に移行することが必要になってきます。
更に利益を生み出せるチャンス
全員が今までのやり方に慣れて保守的になっている会社も多くあるでしょう。経営戦略や経営管理の仕組みを再構築して企業体質を強化していきましょう。
経営体制再構築のチャンス
経営体制の変更はとても難しいことですが、事業承継のタイミングでは否応なく必要となってくるものです。
来月6月26日スタート!
事業承継塾はワークの時間も設けた参加型の勉強会です。最終回には株式会社吉野家ホールディングスの安部修仁会長や、実際に企業再建と承継を同時に実行された経験の中小企業経営者の方の講演会及び懇親会も予定しています。
座席の都合上定員30名での開催となりますので、お早目のお申し込みをお待ちしています。
お申込はこちらをご参照ください。
【熊本本部 経営支援課 中島浩明】
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