実例から学ぶ税務の核心〈第29回〉消費税率改定における経過措置規定について

週刊税務通信 No.3547 平成31年3月11日号に、熊本本部所長・岡野の記事が掲載されました。

実例から学ぶ税務の核心

~ひたむきな税理士たちの研鑽会~

<第29回>

消費税率改定における経過措置規定について

解説

大阪勉強会グループ
濱田康宏
岡野訓
内藤忠大
白井一馬
村木慎吾

法定された消費税率引上げ時期まであと7ヶ月を切り,経過措置規定適用のための指定日である平成31(2019)年4月1日が近づいてきた。関与先から問われることの多いであろう経過措置規定の主なものについて,最終確認を行ってみた。

1 消費税率引上げの動向

岡野)  この記事が掲載される時点では,まだ消費税率引上げが完全に決着しているかどうかは不明ですが,法律通り施行されるのであれば,この3月末までに実務家として確認しておくべき点は多いですね。

内藤)  1月時点での報道によれば,3月下旬で判断するとの話でしたね。

消費税率上げ,予算成立前後に最終判断…菅氏

菅官房長官は3日のラジオ番組で,10月に予定する消費税率10%への引き上げに関し,3月下旬頃と見込まれる2019年度予算の成立前後に最終判断する可能性があるとの認識を示した。

(略)

〔読売新聞 2019年01月03日17時44分〕

白井)  どうなるかは分かりませんが,現時点では,法律通り施行される前提で準備せざるを得ないでしょう。その意味で,経過措置規定だけは,押さえておくことが必須ですよね。

濱田)  経過措置以外では,締め日が月末以外の取引先については,9月末で締めた請求書を「発行する・してもらう」などの対応が必要というのは,既に過去の税率改定で皆さん常識というところでしょうしね。

2 経過措置規定の位置づけ

岡野)  まず,押さえておくべきなのは,経過措置規定として別途用意された例外に該当しない限り,2019年10月1日以後に資産の譲渡等が行われたものは,食品等を除き,税率10%が適用されるということです。

濱田)  つまり,“できる”規定ではない,ということですね。

内藤)  その通りです。経過措置規定の要件に該当すれば8%,該当しなければ10%になるということです。

白井)  経過措置も数多いですが,継続的な契約に基づくものと,単発的な契約に基づくものの2種類に大別できそうですね。

村木)  継続的な契約は地代家賃の話が代表例で,単発的な契約の話では請負工事等の話が代表例でしょうね。どちらも,実務的には確実に押さえておくべき論点です。

3 請負工事等

岡野)  まずは請負工事等の経過措置規定を確認しましょう。この経過措置規定は,大きく3つに分けることができます。

[1] 工事の請負

[2] 製造の請負

[3] これらに類する契約
(以下略)

(熊本本部スタッフ)