実例から学ぶ税務の核心〈第41回〉改正民法(債権法)施行への対応

週刊税務通信 No.3596 令和2年3月9日号に、熊本本部所長・岡野の記事が掲載されました。

実例から学ぶ税務の核心

~ひたむきな税理士たちの研鑽会~

<第41回>

改正民法(債権法)施行への対応

大阪勉強会グループ
濱田康宏
岡野訓
内藤忠大
白井一馬
村木慎吾

改正民法債権法が,いよいよこの4月より施行される。時効・法定利率の影響を扱う記事が多いが,請負契約と委任契約との区別など,他の項目での税理士実務への影響を中心に確認してみたい。

1 はじめに

濱田)  民法債権法の改正が,この4月1日より施行されますね。税理士実務への影響について確認しておきたいと思います。

白井)  まず,今回の改正の位置付けを確認しておくべきですね。従来の規定では存在しなかったが,裁判例等で認められていた取扱いを条文として新設しているのが目立ちます。なので,大改正と言われている割に,それほど大きな改正ではない気もします。

内藤)  裁判例が先行している部分を立法で取り込んだから,ということですね。ただ,法務の人間でない限り,条文に書いていないけど裁判例ではこうだ,という部分はこれまで常識ではなかったわけですから,影響は避けがたいのではないでしょうか。

岡野)  そうですね。従来,論争があった場合について,立法的解決を図った部分もありますし。

村木)  改正は多岐ですし,本格的に学ぶのなら,ちゃんとやるべきでしょうけど,とりあえず,必須論点を概括して,実務面での心構えくらいは今回確認しておきたい気がします。

濱田)  そうですね。あと,税理士目線での影響というところでしょうか。なお,保証・定型約款など幾つかの項目は,今回扱いませんので,ご容赦ください。

ポイント  弁護士目線ではなく,税理士目線での民法改正の確認が目標。

2 時効関係の改正(民法144~169)

岡野)  さて,時効関係の改正は,用語の変更に加え,概念的整理も行われています。起算点の追加などもあるので,今後しばらくは,混乱がありそうなジャンルです。

白井)  債権者が権利行使可能と知った時からとの主観的起算点が追加されたのですね。こちらは,5年間の消滅時効です。

濱田)  以前は,権利を行使することができる時からという客観的起算点だけだったと。こちらは10年間の消滅時効です。

(以下略)

(熊本本部スタッフ)