実例から学ぶ税務の核心〈第27回〉特別編 新春・平成31年度税制改正大綱を読む

週刊税務通信 No.3538 平成31年1月7日号に、熊本本部所長・岡野の記事が掲載されました。

実例から学ぶ税務の核心

~ひたむきな税理士たちの研鑽会~

<第27回>

特別編 新春・平成31年度税制改正大綱を読む

解説

大阪勉強会グループ
濱田康宏
岡野訓
内藤忠大
白井一馬
村木慎吾

昨年に引き続き,今年も,与党税制改正大綱についていつものメンバーで税理士実務の目線から議論してみた。自分の関与先で対応が必要な会社の抽出・検討に役立てて欲しい。

第1 総論

濱田)  年末の12月14日に与党税制改正大綱が発表されました( №3537 (平成30年12月24日号)参照)。今年は,あまりサプライズがない改正だった気がしますが,皆さんどうでしょうか。

内藤)  そうですね。会計検査院の指摘事項あるいは各省庁要望で出てきた内容が大半で,大物の改正はそれほどなかった気がします。

岡野)  その中では,経産省が鳴り物入りで創設した個人版事業承継税制が注目されていましたが,これについては,後でまた各論で扱います。

白井)  この個人版事業承継税制に関連して出てきた,小規模宅地特例の見直しの方が問題ですね。実務的には,インパクトのある改正になりそうです。

村木)  他に,教育資金一括贈与と結婚・子育て資金贈与の特例が改正されています。誌面の都合で詳細は割愛しますが,平成31年3月末までに実行する場合とそれ以後で取扱いが変わる部分があるので,大綱で確認しておいていただきたいです。

1)消費税率引上げへの対策措置

内藤)  ところで,消費税率の引上げがいよいよ今年の10月に迫ってきていますので,これに関連する一連の対策措置も講じられていますね。

村木)  税制でいうと,住宅税制と自動車税関係の対策がありますが,税理士実務にはそれほど影響はないでしょうから,パスしましょうか。

2)民法改正による成人年齢引下げへの対応

白井)  民法改正というと,相続編の改正が思いつきますが,成人年齢引下げへの対応もありましたね。ここでまとめて確認しておきましょう。

村木)  NISA,ジュニアNISA口座,個人住民税の非課税措置,相続税の未成年者控除,相続時精算課税,贈与税率の特例,非上場株式等の納税猶予制度において,年齢要件を18歳以上に引き下げています。

岡野)  民法改正法の施行日は,平成34年(2022年)4月1日ですね。学校教育現場等での混乱を避ける観点から,年度の変わり目である4月1日を施行日としたようです。

濱田)  改正法によって,平成34年4月1日の時点で,18歳以上20歳未満の者は,この日に成年に達することになるわけです。

村木)  これらの改正は,ざっくりとイメージだけおさえておいていただいて,これら以外は,後の各論で検討しましょう。

(以下略)

(熊本本部スタッフ)