実例から学ぶ税務の核心〈第45回〉補助金・助成金の益金計上時期

週刊税務通信 No.3613 令和2年7月13日号に、熊本本部所長・岡野の記事が掲載されました。

実例から学ぶ税務の核心

~ひたむきな税理士たちの研鑽会~

<第45回>

補助金・助成金の益金計上時期

大阪勉強会グループ
濱田康宏
岡野訓
内藤忠大
白井一馬
村木慎吾

新型コロナウイルス感染症対応で,各社雇用調整助成金を利用するなどの動きが活発化している。助成金の益金計上時期については,税務調査での指摘が増えていることに加え,賃上げ・設備投資促進税制との関係で,不明点がある。ここでは,補助金の圧縮記帳時期の問題とも絡めて扱ってみたい。

1 はじめに

濱田)  新型コロナウイルス感染症の関係で,関与先さんから,雇用調整助成金について聞かれることが多かったですね。

白井)  雇用調整助成金は,厚労省管轄だから社労士さんの守備範囲なので,そちらに聞いて下さいと伝えるものの,それでもなんとかと食い下がる人もいたりしました。

内藤)  雇用調整助成金は,そもそも制度が複雑な上に,各種の労務における取組みがセットになっています。書類だけ書いて出せばいいという問題ではないですしね。

岡野)  ウチの場合は,提携先の社労士事務所にお願いしていますが,それでも,一時はパンク気味で,もう顧問先の案件しか受けない状況だったと聞きました。

村木)  こういう場合,税理士としては,情報提供に徹するしかないでしょうね。そこで,今回は,申請後の税務として,補助金・助成金の益金計上時期の問題について扱ってみたいと思います。

2 補助金・助成金の益金計上時期

1)雇用調整助成金の個人事業者における所得区分

濱田)  さて,益金計上時期の話に入る前に,確認です。雇用調整助成金は,個人事業者の場合は,所得区分が気になりますね。

内藤)  これは,事業付随収入ですから,事業所得の付随収入として,売上と同じ扱いです。

白井)  消費税の課税取引となるかどうかが違う,ということですか。

岡野)  これが所得税の課税対象になるというと,関与先から怨嗟の声があったりしますが,そもそも損失が有り余る状態になっているので,課税になると聞いて心配するほうがおかしいですけどね。

村木)  そうですね。このあたりは,感染症対応FAQで,参考となる一覧表が出ていたので,そちらを参照するのが良いでしょう。

(以下略)

(熊本本部スタッフ)